くしゅん。寒気を感じてくしゃみが出る。ゆっくり目を開けると辺りは明るくて、もう朝だった。寝る前に自分にかけた布団は、蹴りあげてしまったのか下の方で塊になっている。全く、寒いはずだ。ふああと欠伸をしてベッドからのろのろ降りて「リリーおはよう」自分より先に起きているであろうリリーにいつものように挨拶をした。
ああ、そろそろ魔法史のレポートの提出期限日が近づいてる。「リリーはもうレポートやった?」確か、前回はすっかり忘れていたから、期限前日の夜に泣きそうになりながらやっと終わらせたんだった。今回はさっさと片付けなきゃ。今日中にでも終わらせられたらいいなあ。なんて、そんなことを考えながら制服に着替えている途中で、私はようやく気づいた。ボタンをかける手を止め、辺りを見回す。「リリー?」だが、ただ私の声が部屋に広がって空しく消えただけで、返事はなかった。リリーがいない。
私は焦りで、寝ぼけていた頭が一気に覚めた。リリーがいない。なんてこった! 私はうろたえながらも机の上に一枚の紙が置いてあるのを見つけた。見覚えのある筆跡で簡単な文章が書いてあるこれは、リリーが残した置手紙のようだ。
「いくら起こしても起きないから、先に朝食いただきます。 リリー」
どうやら私は寝坊したみたいだ。